灯火
卒業したら、誰もいない場所に行きたいと思った。狭い島から飛び出して、広い世界のどこかにいけば、居場所が見つかるかも知れないから。
灯架は、どうするのだろう。そんな考えが浮かび、一騎は学校の帰り道でなんとなく聞いてみた。間を開けずに灯架は、
「総士が島を出ないなら、私も島を出ないよ」
「あいつが島を出たら、お前はどこに行くんだ」
「総士は出ないよ、竜宮島を」
自明の理だった。総士は町長の息子で、いずれその立場に立つ人間なのだから。それでなくとも、総士は島を捨てて外に出ないだろう。食い気味だった灯架の返答に、一騎は微かに笑う。
「だから、たまには帰ってきて顔を見せてよ。一騎は嫌かも知れないけど……生きてるって知りたいから」
「……考えとくよ」
ぶっきらぼうに告げる。この幼馴染がいれば、帰るか迷った時も道標になってくれると、思っているから。