甘党盗賊と支援会話してみた-C
「はー……甘いもの甘いもの甘いもの……」
「……ちょっと、怖いんだけど」
皆の憩いの場となっている部屋の中をウロウロと行ったり来たりしているガイアを見て、ヒンメルは読んでいる本を一旦閉じて「集中できないんだけど」と少し不機嫌そうに言う。
「くそ……街で賭けなんてやるんじゃなかったな……おかげで糖分が足りん」
「お菓子賭けちゃったんだ。それは可哀想に」
「はぁ……糖分……」
遂にはその場にしゃがみこんで項垂れてしまう始末。見かねたヒンメルは席を立ち、本を椅子に置くと目線を合わせるようにガイアの前でしゃがんだ。そして、上着のポケットから『あるもの』を取り出す。
「…………、っ! 焼き菓子の匂い!?」
「凄い食いつきっぷりだね!?」
項垂れるガイアの前に垂らした手に持っていたクッキー入りの袋をガッ! と掴まれ驚きを隠せない。否、思いっきり驚くヒンメル。
「チョコとプレーンを合わせたクッキーか……何だ、貰っていいのか?」
「い、いいよ。後で食べようと思って取っといたやつだし」
「後で……」
じっと、貰ったクッキーを見つめるガイア。食べないの?と首を傾げれば、クッキーを注視していたガイアが顔を上げた。
「悪かったな、そんな取って置きの菓子を貰って」
「だからいいって。それに、今にも糖分不足で倒れそうな人に食べて貰う方がクッキー的にも嬉しいんじゃない?」
「クッキーが嬉しい、か。お前もなかなか面白い事言うな」
「あ、いや、ちが! 只の言葉のアヤで!!」
顔の前でバタバタと手を振って否定すれば、先に立ち上がったガイアから忍び笑いが聞こえてくる。
「ま、有り難く頂くさ」
「……次変な事言ったら、もうあげないからね」
少し頬の赤い、むーっとふくれっ面で、ヒンメルがガイアを見上げた。