女嫌いの剣士と支援会話してみた-B
「……おい」
「あ、ロンクー。どうしたの?」
城の廊下の中央で野菜が沢山乗ったカゴがゆらゆらと揺れながら言った。正しくはカゴを抱えたヒンメルが。
「この間は……助かった。恩に着る」
「この前? んー……あ。あれか、ロンクーの怪我治療した時!いやいや、ごめん」
「? 何故お前が謝る?」
「だってロンクー、女嫌いでしょ? なのにあんだけ追っかけ回してあまつさえ腕掴んじゃって、必死だったとは言え少し申し訳なかったなぁと……」
「……確かに、鬱陶しいまでに付いて来ていたな」
そう言えばカゴの向こうから苦笑したような声が聞こえてきた。
と、ロンクーが動いてヒンメルの抱えているカゴを取り、抱え上げた。え、と間の抜けた声が出てしまったが、彼にカゴを持ってかれた事についてではない。彼がカゴを持ち上げようとした時に僅かだが指先が触れ合ったからだ。
「え、ちょ、ロンクー、今」
ロンクーはヒンメルに背を向けて歩き出しながら言う。
「……この間の一件で、少し耐性が出来ただけだ。強引にな」
「あはは、荒療治になったって事ね」
「最悪な事にな……」
ヒンメルもロンクーを追って歩き出した。しかし彼の体質を配慮してか、一メートル程距離を開けながら。
「と言うかロンクー、それ何処に運ぶか分かる?」
「……厨房だろう。見れば分かる」
「おー。あ、ロンクーにも手伝ってもらおっかな、野菜の皮剥き」
「まあ……良いだろう。手伝おう」
「椅子並べて、私の隣で」
「断る!」
2014/01/18