戦友の帰還
「そ、それ本当なの!?」
執務をしている俺の所に新たな書類の束を持ってきたヒンメルが驚愕の声を上げた。そしてバサバサと書類を取り落とし、床にぶちまける。
「ルフレが……ルフレが帰ってきたって!?」
「ああ。さっき、漸くな」
俺からそう聞いたヒンメルは床に散らばった書類を素早くかき集めると執務机へ乱暴に置き、引き止めるよりも早く駆け出して部屋を後にする。おい、あいつが何処に居るかまだ言ってないんだが……と言いに行こうとした所で、離れた所から怒声が聞こえてきた。
「……んの馬鹿ルフレェエエエエエ!!!!!!」
ぎゃあああ、とルフレの声。ああ、確実にあれは助走をつけて殴られたなと察する。
「今まで! 何してたのさ! 遅い! 私達だどんだけ心配したと! 思ってるの!!」
「い、痛いよヒンメル!!」
「ギムレーとの戦いの後で行方分からなくなって!! 皆で探したのに! 全く手掛かり無かったのに!!! 今更のこのこ呑気そうに出てきてさ!!!」
「ごっ、ごめん! 本当にごめんなさい!」
「って言って許すか馬鹿!!」
びしばしびし、痛そうな音が聞こえてくるが、今ここで止めに入った所で俺まで殴られる羽目になるだろう。漸くして、音が止む。
「……凄く、心配した」
「うん」
「私も、クロムも、皆」
「……うん」
「……お帰り、ルフレ。私の戦友」
「……ただいま」
そんなやりとりが聞こえ、静かに笑みを浮かべながら俺はヒンメルの積んだ書類に手を伸ばした。
2014/05/08