変わらないもの
二年の歳月はいとも簡単に人を変えてしまう。それはバレンシアとて例外ではなく、クロウが最後に見た時よりも随分と成長していた。それは体つきや髪の長さ、戦闘の力量だけではなく、内面も。
クロウと話している時によく何かを堪えるような表情をするようになった。取り繕うように笑ったり、よく物思いに耽るようになった。自分の知らないバレンシアの表情を見る度、そんな表情をさせてしまう自分に苛立ちを覚えるし、そう遠くない二度目の別離を惜しむ気持ちが湧いてしまう。
そんな明くる日、取り留めの無い会話をしていた最中。不意にバレンシアが笑う。その笑顔は最初に会った時と変わらない――クロウの一番好きな笑顔で。
クロウが笑う気配を感じたのか、バレンシアが不思議そうに見上げてくる。
「ん? クロウどうしたの?」
「うんにゃ。なんでもねーよ」
ああ、変わらないものもあるのだと思っただけだ。
2019/12/30