パレイドリアの残照

赤青コンビ

「ねえねえヴァンさん、50ミラコイン貸して」

「A級遊撃士ってのは50ミラに困るほど困窮してんのか……」

「違うよ! 手品するの!」

 嫌々ながらヴァンが財布から50ミラコインを取り出して手渡せば、意気揚々と受け取ったバレンシアはピン、と天高くコイントスする。爪弾かれたコインの音が澄んでいて心地いい。
 クルクルと落下してきたコインをバレンシアはキャッチする。閉じられた両手をヴァンに突き出し、ワクワクとした様子で問いかけた。

「はい、コインはどっちの手の入ってるでしょーか!」

 対してヴァンは呆れた様子で『ある場所』を指で示す。そこは――バレンシアが足元に置いた彼女の鞄で。

「その中だろ。あんたの両手は空だ」

「え、えぇー! なんで分かったの!?」

「視線誘導が雑すぎんだよ……キャッチする時も上手く隠れてねぇし。もっと練習するこったな」

 バレンシアはちぇ、と唇と尖らせながら鞄からコインを取り出し、ヴァンへと弾いて返す。

「流石はグレーな領域で活動する裏解決屋さんで。目ざといねー」

「ははは。殴るぞコラ」


2021/11/18

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